裏/ノーカテゴリ
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04)再会
隼人の腕が、取り繕う事をやめた素直さで、欲求のままに抱きしめてくる。ここにいる。
流竜馬が、ここにいる。
何度も何度も、確かめるように手繰り、
そのつど歓喜の波動が頬を打つほどに感じられる。
なんて有様だ。
自分も、隼人も。
おまえ、頭良いんじゃないのかよ。
部下とかいっぱいいて、
みっともない姿見せちゃだめなんじゃないのかよ。
それで、
なんで俺は大人しくお前に抱きつかれて、
こんなにうっとりしてるんだよ。
本当にもう、
まったくもう、
不意に絞め付ける力が弱くなり、視界が明るくなった。
終わりか、と、少し朦朧とする頭の片隅で名残惜しげに思ったあと、
すぐにそうではない事に気付く。
首を傾げる予備動作。
顎に添えられた手がわずかな遊びも封じる。
恍惚とした気分は一気に冷めた
まさかこいつ、ここで!?
ちょ、ちょっと待て!
それは待て!
見てるやつもいるだろうが!
…すまん
呆れて言葉もないとはこの事だ。
タワーを統べる司令官が、公衆の面前で一兵士を抱きしめてキスしてるなんて。
ああ、でも
もう、いいか
俺だって、
もう
お前を放すつもりはないんだから。
知らず、竜馬の腕も隼人の背中を掻き抱いていた。